little star's memory

競プロ、なぞなぞ、その他

花鶏と寸草

春の温かさを感じながら外を歩いていると、ベンチに同級生の花鶏が座っていた。

手帳に何かを書きながら考え事をしているようだったが、僕の存在に気づいて話しかけてきた。

「一緒にこの景色、見る?」

僕は花鶏の隣に座った。

ありふれた景色が広がっていた。詩を書く花鶏はこの景色をどのように感じているのだろうか。

「今は丈の短いこの草も、春の陽光を浴びて育つ。この寸草は、私なんじゃないかって思った」

花鶏の話を聞く。

「寸草春暉っていう四字熟語を最近知った。両親からの恩は非常に大きくて、少しでも報いることはできないっていう意味」

花鶏は語る。寸草は短い草のことで、恩返しをしようとする気持ちを表しており、春暉は春の陽光のことで、両親からの大きな恩のことらしい。

恩返しと聞いて、この間の出来事を思い出した。確か花鶏は料理を作ろうとしていたはず。

「うん。作ってみたよ、料理。簡単な料理だったけど、喜んでもらえたみたいでよかった」

それはよかった。

「でも、両親がやってくれてることって料理だけじゃない。やっぱり寸草春暉なのかも。それで相談なんだけど……」

花鶏は真剣な表情で僕に相談してきた。

「もっと恩返ししたいんだけど、どうしたらいいかな?」

僕は考える。しかし僕は親孝行と呼べるものをしたことがない。だから何も思いつかず、プレゼントを贈るとしか言えなかった。

「考えてくれてありがと。立派に親孝行できるように頑張る」

花鶏は立ち上がった。僕にはその姿が、春の陽光を浴びて立派に育った植物に見えた。

「この辺りを逍遥しながら詩の題材を探しつつ贈答品を考えるつもりだけど、君は来る?」

用事があるので僕は同行できないことを伝えた。手を振って花鶏と別れた。

寸草の心。僕も大切にしようと思った。

柏宮花鶏について

柏宮花鶏はオリジナルキャラクターです。詳しい設定はこちらにあります。

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花鶏と図書室

珍しく図書室に寄ってみた。

教室の賑やかさとは打って変わって、静かな空間である。

僕は特に探している本もないので、適当に歩く。知らない本がいっぱいある。

すると、漢字の本を見つけた。手に取って開いてみると、難しい漢字がいっぱい書かれていた。

難しい漢字が好きな同級生の花鶏は、こういう本も読むのだろうか。

しばらく本を立ち読みしてから、元に戻した。

人の気配を感じた。隣を見るとそこには花鶏が立っていた。

僕は驚いて、わっと声を出してしまった。

「しーっ」

花鶏は指を口にあててこちらを見る。そして小さな声で話す。

「君がここにいるなんて珍しいね」

花鶏は図書室によく来るのか尋ねてみると、

「たまに来るけど、漢字の本は大体読んじゃった。あとは漢字辞典くらいかな。もっと漢字の本があればいいのに」

とのことだった。すごいなあと感心した。

「大きい図書館に行けばもっと漢字の本があるかも。載籍浩瀚汗牛充棟……」

よく見ると花鶏は手に本を持っていた。これも漢字の本だろうか。

「これ?これは料理の本」

漢字の勉強ばかりしている花鶏が料理に興味を持っているのは意外だった。

「烏に反哺の孝ありっていうからね」

どういうことだろう。

「料理は私の萱堂がいつも作ってくれるから、たまには恩返しがしたくて」

漢字に詳しい上に親孝行にも励む花鶏。僕も見習わないといけないなと思った。

せっかく図書室に来たので漢字の本を1冊借りることにした。

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週記 ~農業~ (2024/01/26-2024/02/01)

人間と農業のアナロジーを考えてみる。本来自然は多種多様な生物・植物が複雑に絡み合って存在している。一方で農業では1種類の作物をひたすら育てる。人間も、生まれながらの存在は一人一人異なる多様なものだが、教育によって均一にされていく。農業では生産性向上のために化学肥料や農薬が使われることもある。それらは周囲に悪影響を及ぼすことがある。人間も生産性で評価される時代が来ているが、それがどのような悪影響を与えるのか考えないといけない。

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週記 ~異世界~ (2024/01/19-2024/01/25)

現代社会に疲れている人は多い。ひとつの物差しで測られ続け、逃げ場もない。いざとなったら逃げ込める異世界があれば、心の余裕ができるだろう。過去にはそのような場所が存在したらしい。今こそ、新たなる異世界を創造すべき時ではないだろうか。

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